ゼラチン溶液を加温した状態で長時間保存すると、加水分解によりゼラチンの低分子化が起こり、粘度やゼリー強度が低下します。物性劣化の程度は、ゼラチン溶液のpH、温度、加熱時間によって変化します。
<図11-3-1, 2>に、アルカリ処理ゼラチン(6.67%, pH5.6)を、60℃で保存した場合の物性変化を示しました。初期物性は粘度が 3.0mPa・s, 3.7mPa・s, 4.5mPa・s、ゼリー強度が 115g, 165g, 215g(JIS K6503)です。両物性ともに、加熱により経時的に劣化し、数値が低下していくのが分かります。