工業的なゼラチン生産には、主として牛骨および牛皮、豚皮が原料として用いられます。牛骨については、骨の成分の約75%を無機質(リン酸カルシウム)が占めているので、これを希塩酸を用いて除去する必要があります。この骨を脱灰して残ったコラーゲン主体の物質を「オセイン」と呼んでいます。
これらのコラーゲン原料から、効率良く高品質のゼラチンを抽出するために、塩酸や硫酸などの無機酸もしくは石灰を用いて、原料の前処理を行います。一般的に、酸処理の場合、半日から数日、また石灰処理は2~3ヶ月の処理期間を要します。原料の前処理条件により、前者を酸処理ゼラチン、後者をアルカリ処理(もしくは石灰処理)ゼラチンと称され、これらは略して、順にAタイプ、Bタイプとも呼ばれています。