当社の主力製品であるゼラチンやコラーゲンペプチドの製造には多くのエネルギーや水を必要とします。リサイクルを活用しながら、エネルギーの効率的な利用やCO₂排出、水資源の使用削減に取り組んでいます。

 

また、牛骨ゼラチンの副産物であるDCP(第二リン酸カルシウム)は、近年、富山高等専門学校との共同研究により、水や土壌に含まれるフッ素を固定し、過剰なフッ素が溶け出すのを防止する作用が確認されています。

 

当社ならではの技術を活用し、新たな環境改善の方法として社会に貢献することを目指します。

CO2排出量削減

大阪工場では、冷温水機、ボイラーやコージェネレーションシステムの更新等により、エネルギー効率を高め、工程の改良に努めています。また業務部門でも室温管理、使用しない間の事務機器電源オフなどの省エネを推進しています。 

 

2023 年度は、エネルギー効率の向上や設備の運用改善に取り組み、製造エネルギー原単位は前年度比1.3%の削減、CO2排出量は、前年度比4.3%の削減を達成しました。 

 

環境に配慮した事業活動への取り組みの一環として、当社はTCFD提言に沿った情報開示を行い、自社の環境情報を適切に把握し、開示します。

水使用の削減

ゼラチンの製造工程では多くの水資源を使用します。また、品質の維持・向上のために、設備の洗浄作業でも水を多く必要とします。2023年度は取水量原単位で前年度比5.4%の削減を達成しました。製品の品質を維持しながら、取水量の削減や再利用に取り組んだ成果です。

廃棄物の削減

肥料化していた排水処理工程の汚泥の一部を2023年度に廃棄物扱いに変更したため、廃棄物量が増加していますが、この増加分を削減するための設備改造を2024年度に行っており、2025年度以降は減少する予定です。

 

全廃棄物のリサイクル処理率(熱リサイクル含む)99.8%で、100%に近いレベルを維持できています。

紙資源の削減

2020年度より全部署でペーパーレス化を積極的に進めた結果、2023年度のコピー用紙使用量は2019年度比で半分以下に減少しています。

副産物による環境改善

DCP(第2リン酸カルシウム)は牛骨をゼラチン原料に加工する際に生じる副産物です。

 

当社のDCPは、フッ素を効率的に不溶化・固定化することがわかりました。これにより、土壌や排水中のフッ素固定剤として有効利用できます。(富山高等専門学校との共同研究)

 

当社のDCPを排水処理、土壌処理に使用すると、基準物質であるフッ素を効率的に不溶化・固定化し、除去できる。