ゼラチンは過度の加熱や紫外線、ガンマ線の照射やある種の物質との反応によって水に不溶解になります。
ゼラチンを不溶化させる物質を架橋剤(硬化剤)といい、無機化合物ではクロム、アルミニウム、第二鉄などの多価金属イオンを含む塩、また有機化合物ではアルデヒド類、ケトン類、キノン類などが代表的です。反応性について見ると、無機化合物の場合は、ゼラチンのカルボキシル基がその反応に関与しているため、pH4.5付近の反応性が高くなります。有機化合物とは、pH8付近の反応性が高く、これにはアミノ基が関与しています。また、ポリフェノール類、カテキン、魚油などの食品材料として利用される物質の中にもゼラチンと反応するものがあります。
アミノ酸と糖の混合物に熱をかけると、メイラード反応(アミノカルボニル反応)によって褐色に変化することは良く知られていますが、ゼラチンの場合も、ブドウ糖のようなカルボニル基を含む糖との共存下で、高温の加熱や長期間の保存により、着色したり、不溶化します。メイラード反応に影響を及ぼす因子として、糖の還元能、pH、温度、共存金属イオンなどが挙げられます。