ゼラチンのように、ゼリー(ゲル)を作るための製剤をゲル化剤と呼びます。
以下に代表的なゲル化剤とその性質についてまとめました。

<表9-1>

項目 ゼラチン 寒天 カラギーナン ペクチン
原料 牛骨、牛皮、
豚皮、魚鱗
紅藻類
てんぐさ、
おごのり
紅藻類
つのまた、
すぎのり
柑橘類果皮、
りんご
製造法 原料をアルカリ
もしくは酸処理し、
加熱抽出
原料を
アルカリ処理し、
加熱抽出
原料を
アルカリ処理し、
加熱抽出
加熱処理
加熱抽出
主成分 コラーゲン アガロース、
アガロペクチン
ガラクトース、
アンヒドロ・
ガラクトース
ガラクチュロン酸、
ガラクチュロン酸
メチルエステル
栄養価 約350Kcal なし なし なし
タイプ アルカリ処理、
酸処理
κ、ι、λ HM、LM
ゲル化に
必要な成分
κ:カリウム、
カルシウムイオン
(市販品では
必要なし)
HM:
糖度65度以上、
pH3.5以下
ゼリーの
状態
やわらかい、
弾力性がある、
粘りがある
かたい、
弾力がない、
砕けやすい
やや柔らかい、
やや弾力がある
(種類により
異なる)
やや弾力がある、
なめらかである
(種類により異なる)
ゲル化濃度 通常、1.5~3.0% 0.15~0.6%、
0.1%
以下は粘稠液
0.3~1.0% 0.3~1.0%
ゲル化温度 15~20℃ 30~40℃ 30~75℃ HM:60~80℃
LM:30~40℃
ゲル化時間 20℃以下の
冷却が必要、
16~18時間で
ほぼ安定
常温で可、
5~24時間で
ほぼ安定
常温で速やかに
ゲル化し、安定
常温で可、
24時間で
ほぼ安定
ゲル
溶解温度
20~30℃
濃度により
上下する
85℃以上 ゲル化開始
温度より、
5~10℃
高ければ溶解
HM:60~80℃
LM:30~40℃
食品の
用途例
ゼリー、グミ、
ムース、惣菜、
マシュマロ、
ソフトヨーグルト、
ソフトキャンディ
羊かん、ところてん、
みつ豆、杏仁豆腐、
ハードヨーグルト
ゼリー、プリン、
アイスクリーム、
シロップ、ムース
HM:高糖度ゼリー、
ジャム、酸性乳飲料
LM:ババロア、ジャム、
フルーツソース