5-1. | ヒト臨床試験 |
● | プラセボ二重盲検法 |
● | 被験者:健康な高齢者、エントリー70名、終了者64名(男/女=14/50) |
平均年齢:73±7、BMI:23.3±3.1kg/m~{2} | |
● | プラセボ(ホエイ):35名 |
コラーゲンペプチド:29名 | |
● | 2.5 g/日、90日間 |
● | 評価項目:脈波伝播速度 |
プラセボ: | 疑似薬 |
二重盲検法: | 医者も患者もどれを摂取しているかわからない方法 |
脈波伝播速度
動脈樹に沿った圧力波の伝播速度です。この圧力波は心拍によって引き起こされ、これらの血圧変化に応答して膨張および収縮する血管内の血液量変化を誘発します。脈波伝播速度は大動脈壁の弾性に関連しており、動脈硬さを測定する上での至適基準(ゴールドスタンダード)と考えられています。血圧、コレステロール、および生活習慣因子によって影響され、そのすべてが心臓血管の健康に重大な影響を及ぼします。このため、脈波伝播速度は、心臓血管の健康状態と、高血圧の発症または発症する潜在的リスクを全体的に把握できる、唯一の独立型測定値です。

コラーゲンペプチド群では脈波伝播速度が大幅に向上しました。 動脈硬化の予防が期待できます。
Mean±SE *p<0.05 (vs Baseline)
出典 : | Igase et al., Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry.,15_2018 |
5-2. | マウスデータ |

高血圧自然発症ラット(SHR)を用い、ヒト換算12g/日でコラーゲンペプチドを与えました。コラーゲンペプチドを摂取した群では、摂取後2週目から緩やかに血圧を抑制させることが示されました。
出典 : | Ichikawa et al., Biosci, Biotechnol, and Biochem 73:2317-9,2009 |
5-2. | メカニズム |
アンジオテンシン変換酵素(ACE)は高血圧を誘発しますが、そのACEをコラーゲンペプチド由来のオリゴペプチドが抑制することにより、血圧上昇が抑制されると考えられます。また、一般的に血管拡張作用のあるNO(一酸化窒素)の原料となり、関節的に血管を拡張することも考えられます。
(IC50値:低=活性が高い)
Sequence | Molecular weight (Da) | IC50 (mmol/L) |
Pro - Hyp | 228.3 | 18.118 |
Hyp - Gly | 188.2 | 26.527 |
Ala - Hyp | 202.2 | 0.177 |
Leu - Hyp | 244.3 | >1000 |
Pro - Hyp - Gly | 285.3 | 1.129 |
Phe - Hyp | 278.3 | 1.361 |
Glu - Hyp - Gly | 317.3 | 82.33 |
Ala - Hyp - Gly | 259.3 | 0.711 |
Ser - Hyp - Gly | 275.3 | 0.601 |
出典:日本食品化学工学会誌 第56巻 第6号 2009年6月
アンジオテンシンⅡは血圧を上げる働きをしています。このアンジオテンシンⅡはアンジオテンシン変換酵素(ACE)の作用を受けたアンジオテンシンⅠから作られます。よって、ACEを阻害することで、アンジオテンシンⅡの生成を抑制でき、それに伴い血圧上昇を抑制できるのです。
