当社は1918年の創業以来、地域社会の一員として環境に配慮した生産活動を行ってきました。加えて牛骨ゼラチン原料に加工する際に生じるDCP(第2リン酸カルシウム)は、フッ素を効率的に不溶化・固定化できることが解りました。これにより、土壌や排水中のフッ素固定剤として有効利用しています。
本社・大阪工場の環境マネジメントシステムは、生産活動による環境への影響を抑えるように目標を定め、環境負荷低減に取組んでいます。2020年度は設定した環境目標をすべて達成することができました。
これからも持続的発展が可能な社会の実現に貢献するため、社会・地域・そして当グループで働くすべての人々に配慮した事業活動を行っていきます。
各製品の製造にあたっては、多量の水資源・エネルギーを必要とするため、当社は従来からCO2削減・省エネ・水資源使用量削減を積極的かつ、継続的に取り組んでいます。
大阪工場では、冷温水機、ボイラーやコージェネレーションシステムの更新等により、エネルギー効率を高め、工程の改良に努めています。また業務部門でも室温管理、使用しない間の事務機器電源オフなどの省エネを推進しています。
2022 年度は、排水処理の環境負荷低減、ボイラー更新後の安定稼働などでエネルギー効率向上に努め、エネルギー原単位(製品1t あたりのエネルギー使用量)は前年度同等、CO2排出量(総量)は前年度より約7.2% 減少しました。
環境に配慮した事業活動への取り組みの一環として、当社はTCFD提言に沿った情報開示を行い、自社の環境情報を適切に把握し、開示します。
ゼラチンの製造工程では多くの水資源を使用します。また、品質の維持・向上のために、設備の洗浄作業でも水を多く必要とします。環境負荷低減のため、作業工程の見直しや水の再利用を進め、取水量の低減にと取り組んでいます。
排水処理では多大なエネルギーを消費しています。大阪工場でのエネルギー負荷低減のため処理前の排水から固形物を分離回収できるよう、2016~2017年度に設備改造を行いました。改造前と比較すると回収した固形物により廃棄物量は 増加しておりますが、2017年度以降は安定した水準で推移しております。
全廃棄物のリサイクル処理率(熱リサイクル含む)は99.8%で、100%に近いレベルを維持できています。
DCP(第2リン酸カルシウム)は牛骨をゼラチン原料に加工する際に生じる副産物です。
当社のDCPは、フッ素を効率的に不溶化・固定化することがわかりました。これにより、土壌や排水中のフッ素固定剤として有効利用できます。(富山高等専門学校との共同研究)
当社のDCPを排水処理、土壌処理に使用すると、基準物質であるフッ素を効率的に不溶化・固定化し、除去できる。