3-1. 医療機器

コラーゲン・ゼラチンは共に、古くから人工皮膚や人工骨の原材料として使用されております。当社においても、これら医療機器向けの高い品質および安全性を備えたコラーゲン・ゼラチンを国内外で医療機器メーカー様に提供しております。近年では北米地域において、FDA承認済み医療機器の原材料としてbeMatrrixゼラチン をご使用いただいております。

 

3-2. ゼラチンハイドロゲル

田畑 泰彦 先生(京都大学 ウイルス・再生医学研究所 教授)が開発したゼラチンハイドロゲルは、優れた薬剤徐放性キャリアとして多くの臨床研究にて使用されています。bFGFをはじめ様々な薬剤との組み合わせることにより、突発性難聴や大腿骨頭壊死症などの現在有効な治療法が存在しない疾患に対しても、優れた治療効果が確認されています。

 

参考文献:Gelatin as a delivery vehicle for the controlled release of bioactive molecules. J Control Release. 2005 Dec 5;109(1-3):256-74.

3-3. ゼラチン粒子

近年、スフェロイドや重層化細胞シートなどの3次元組織が注目を集めています。これらは次世代の細胞治療法として期待されていますが、組織を形成する際、内部にまで酸素や栄養が行き渡らず、細胞が壊死してしまうことが問題になっております。山下 潤先生(京都大学 iPS細胞研究所教授)らの研究チームは、細胞シートの間にゼラチン粒子を挟むことで、細胞の壊死を防ぎ、心筋細胞シートを15層以上重層化することに成功しました。今後、重症心疾患の新しい治療法としての応用が期待されています。

 

参考文献:Efficient long-term survival of cell grafts after myocardial infarction with thick viable cardiac tissue entirely from pluripotent stem cells. Sci Rep. 2015 Nov 20;5:16842.

3-4. 医薬品添加物

ゼラチンおよびコラーゲンペプチドは、安定剤や賦形剤などの医薬品添加物として古くから使用されています。今後さらに開発が進むと予想される、ウイルス製剤や細胞医薬品などの新しい医薬品に対しても、有効に活用されると期待されています。

3-5. 細胞移植担体

コラーゲンおよびゼラチンは、細胞接着性および生体親和性に優れているだけではなく、ゲルやスポンジなど様々な形状への加工性にも優れております。近年では、3Dプリンタやエレクトロスピニングなど新しい造形技術の開発が進んでおり、より高度な加工体を設計することも可能です。そのため、細胞移植用のキャリアとして様々な研究が展開されています。

 

3-6. 細胞輸送

再生医療の実用化が進むにつれ、国内および国外への細胞の輸送方法に注目が集まっています。コラーゲンおよびゼラチンで細胞や細胞シートを包埋することにより、輸送時の衝撃から細胞を保護するとともに、高い生存率を維持したまま長期間輸送することができます。弊社では現在、細胞輸送用に最適化した新規のゼラチンを開発しております。

 

参考文献:Evaluation of gelatin hydrogel as a potential carrier for cell transportation. J Biosci Bioeng. 2014 Jul;118(1):112-5.

3-7. 生体接着剤

ゼラチンの安全性および化学修飾性を活かした、ゼラチン系生体接着材の研究が進められています。田口 哲志 先生(物質・材料研究機構)は、タラ由来のゼラチンを原材料として用いることにより、従来品よりもハンドリングおよび接着力に優れた次世代のゼラチン系生体接着剤を開発いたしました。

 

参考文献:Enhanced Sealing by Hydrophobic Modification of Alaska Pollock-Derived GelatinBased Surgical Sealants for
the Treatment of Pulmonary Air Leaks. Macromol Biosci. 2017 Apr;17(4).

3-8. コラーゲンゲル培養

コラーゲンゲルを用いて培養することで、生体内を模倣した環境で細胞を培養することができます。薬学や生化学などの基礎研究において、約30年前から今に至るまで、幅広くご活用いただいております。近年では、iPS細胞などの幹細胞からの細胞組織分化時の足場や、細胞移植のキャリアとしても応用されております。

 

参考文献:Characterization of human induced pluripotent stem cell-derived retinal pigment epithelium cell sheets aiming for clinical application. Stem Cell Reports. 2014 Jan 23;2(2):205-18.

 

 

3-9. ゼラチンコート培養

初代培養細胞などの接着力が弱い細胞の培養時、または長期間細胞培養を行う際には、培養表面をゼラチンでコーティングし細胞への接着性を高めることが必要です。弊社製品の「GLS250 ゼラチン溶液」は、濃度をゼラチンコーティング時の標準的な濃度である0.1%に調整しております。オートクレーブ滅菌を実施済みですので、開封後すぐにご使用いただくことができます。