第72回 日本栄養・食糧学会大会でコラーゲンペプチドの機能性研究成果発表
2018年5月11日~13日に開催された第72回 日本栄養・食糧学会大会でコラーゲンペプチドの機能性研究成果3演題を発表しました。
① 男子駅伝選手の膝痛発生に対するコラーゲンペプチド摂取の効果
城西大学 薬学部、埼玉医科大学 医学部との共同発表
城西大学男子駅伝部に在籍する男子学生46名をCP群(豚由来コラーゲンペプチド5g/日)とプラセボ群(デキストリン5g/日)の2群に分け、二重盲検法並行比較試験を実施しました。プラセボ群と比べてCP群で膝の痛みのスコアが有意に低値を示しました。
本研究の結果から、駅伝選手のコラーゲンペプチドの継続的な摂取は膝痛の悪化もしくは発生を抑制する可能性が示唆されました。
② コラーゲン由来ジペプチドPro-Hypは間葉系幹細胞株C3H10T1/2の脂肪細胞分化を抑制する
城西大学 薬学部との共同研究
骨髄に存在している間葉系幹細胞は骨細胞、軟骨細胞、脂肪細胞、筋肉細胞などへの分化能を持ちます。マウス由来間葉系幹細胞を用いて、脂肪細胞への分化誘導を行い、そこにコラーゲン由来ジペプチドPro‐Hypを添加したところ、脂肪細胞の増殖を抑制しました。本研究の結果から、コラーゲンペプチドが脂質代謝改善作用を有する機能性食品素材となる可能性が示唆されました。
③ コラーゲン由来ジペプチドPro-HypはFoxG1と結合し骨芽細胞マスター遺伝子Runx2とFoxG1のヘテロ二量体形成を促進する
城西大学 薬学部との共同研究
これまでに、コラーゲン由来ジペプチドPro-Hypは骨形成に働く骨芽細胞に作用し、骨質を改善することが明らかとなっています。Pro-Hypがどのようなメカニズムで作用しているのかを検討したところ、骨芽細胞中のFoxG1(フォックスジーワン)というタンパク質に結合し、骨形成を促進していることが示唆されました。本研究の結果から、コラーゲンペプチドによる骨質改善効果のメカニズムの一部が明らかになりました。