ヒトのキズ跡に類似する症状(肥厚性瘢痕)を再現できる動物モデル確立に関する論文が『The Journal of Veterinary Medical Science』に掲載されました

弊社と共同研究を行っている福岡大学医学部 自見至郎教授の研究グループが、ヒトのキズ跡に類似する症状(肥厚性瘢痕)を再現できる動物モデルを確立することに成功しました。

この論文が『The Journal of Veterinary Medical Science』(日本獣医学会出版)に掲載されました。

掲載誌名

The Journal of Veterinary Medical Science

著者名

Shiro Jimi 自見 至郎(福岡大学医学部 特任教授)

Arman Saparov (Professor, Department of Medicine, School of Medicine, Nazarbayev University, Nur-Sultan, Kazakhstan)

Seiko Koizumi 小泉 聖子(新田ゼラチン株式会社 研究員)

Kenji Sato 佐藤 健司(京都大学農学研究科 教授)

Motoyasu Miyazaki 宮崎 元康(福岡大学薬学部実務薬剤学 助教授)

Satoshi Takagi 髙木 誠司(福岡大学医学部 主任教授)

題 名

A novel mouse wound model for scar tissue formation in abdominal muscle wall

 

肥厚性瘢痕(もりあがったキズ跡)は、ヒトにおいては多く見られますが、実験動物ではほとんど発生せず、肥厚性瘢痕モデルはいままでにありませんでした。

マウスを用いて、腹部もしくは背部に切除した皮膚の周りに、スプリント(プラスチック)を固定することで 両方のモデルともに筋膜上に肉芽組織を形成し、線維芽細胞の増殖などの初期治癒反応が確認されました。しかし、コラーゲンを多く含む肉芽組織(線維化:キズ跡の元になる)が確認されたのは腹壁モデルのみでした。これはヒトの瘢痕病変に類似しており、肥厚性瘢痕の動物モデルとして確立できました。

Day21において皮膚が肥厚しているのが確認されました。

この研究結果により、コラーゲン等の健康食品成分をこの動物モデルに与えることによってヒトのキズ口の瘢痕化(キズ跡になること)の抑制効果の研究と検証に役立つことが期待されます。