肥厚性瘢痕マウスモデルにおける経口コラーゲンペプチド摂取及びジペプチド(Pro‐Hyp)の腹腔内投与による効果に関する論文が『Scientific Reports』に掲載されました

弊社は福岡大学医学部 自見至郎教授の研究グループと、コラーゲンペプチドおよびコラーゲンペプチドに含有するジペプチドPro‐Hyp(以下「ジペプチド」という)の肥厚性瘢痕への効果について共同研究を実施し、その論文がネイチャーの姉妹紙である『Scientific Reports』(ネイチャー・リサーチ社)に掲載されましたので、お知らせいたします。

掲載誌名

Scientific Reports

著者名

Shiro Jimi 自見 至郎(福岡大学医学部 特任教授),

Seiko Koizumi 小泉 聖子(新田ゼラチン株式会社 研究員),

Kenji Sato 佐藤 健司(京都大学農学研究科 教授),

Motoyasu Miyazaki 宮崎 元康(福岡大学薬学部実務薬剤学 助教授),

Arman Saparov(Professor, Department of Medicine, School of Medicine, Nazarbayev University, Nur-Sultan, Kazakhstan)

題 名

Collagen-Derived Dipeptide Pro-Hyp Administration Accelerates Muscle Regenerative Healing Accompanied by Less Scarring After Wounding on the Abdominal Wall in Mice

 

肥厚性瘢痕(キズ跡のこと)を起こすマウスモデルを使用して、コラーゲンペプチドに含まれる ジペプチドPro‐Hypを腹腔内投与、もしくはコラーゲンペプチドを経口投与したところ、肥厚性瘢痕を残さずにきれいに治癒することが示されました。そのメカニズムとして ジペプチド が筋肉再生に関係する遺伝子を動かすことで、創傷治癒を加速することが示されました。

※画像からジペプチドを腹腔内投与した群において、

キズの組織がコントロールに比べてきれいに治っていることが示されました。

 

本研究では、コラーゲンペプチドに含まれるジペプチドが治癒を促進すると仮定し、瘢痕病変を腹部筋壁に持った新しいモデルマウスを使⽤して、創傷治癒に対するジペプチドおよびコラーゲンペプチドの効果を調べました。

研究結果により、ジペプチドおよびコラーゲンペプチドの投与は、ミオゲニン陽性筋芽細胞やミオグロビン陽性筋細胞を含む多くの筋原性分化細胞を⾁芽組織内で移動させ、筋肉再生治癒を加速することで、瘢痕化を抑制することが示されました。

この研究成果により、手術(外科や整形外科)後、およびケガによる傷口をきれいに修復する効果が、コラーゲンペプチドを摂取することによって期待できることが示唆されました。弊社では、今後ヒトに対する効果の検証ならびに将来の製品化について検討してまいります。