創傷部でPO、OG濃度が高くなり、
掃除役のMMP9産生を促進させます。
PO、OGにより皮膚の細胞が遊走し、
増殖することにより、創傷部位が閉塞。
真皮内の新生コラーゲン(トロポコラーゲン)を亢進し、元のコラーゲン量に復帰させます。POにより、ヒアルロン酸の産生も促進されます。
創傷を負わせたラットのMMP9量をウエスタンブロット法にて測定、免疫染色法にて、その局在を確認しました。
- ウィスター系雄ラット
- コントロール群:15%カゼイン食
- コラーゲンペプチド群:10%カゼイン+5%コラーゲンペプチド
- 6日飼育
- 評価項目
新生コラーゲン合成量測定
コラーゲンペプチド群では、MMP9が基底膜を中心に観察されたのに対し、カゼイン群は、MMP9が真皮、表皮に散在し、慢性炎症を呈しました。
コラーゲンペプチド群では、創傷成形1日後から正常な0日と同等まで回復していることが示されました。
コラーゲンペプチド群では、約59.5%、カゼイン群では、25.7%創傷面積が縮小しました。
MMP9とは、タンパク質分解酵素の一つです。変性したコラーゲンの分解をはじめとし、その作用は多岐にわたります。
また、MMP9は炎症性刺激により活性化されます。
MMP9が創傷でできたダメージを受けた組織を分解することによって、皮膚のリモデリング(代謝)のスイッチが入ります。リモデリングのスイッチが入ることでコラーゲンなどのECMの合成へつながり、創傷の治りが早くなります。ただし、MMP9が長期的に存在すると慢炎症を起こしてしまうため、一過的に増加することが非常に重要となります。