魚由来コラーゲンペプチド摂取による

皮膚および血管壁のAGEs値の低減効果に関する論文が

『Bioscience, Biotechnology & Biochemistry』で公開されました

弊社は、ジペプチドPro-Hyp(以下、POという)およびHyp-Gly(以下、OGという)を高濃度で含むコラーゲンペプチド摂取によるAGEs値の低減効果について、愛媛大学大学院(愛媛県東温市)と共同研究を実施し、その論文が『Bioscience, Biotechnology & Biochemistry』で公開されましたので、お知らせいたします。

掲載誌名

Bioscience, Biotechnology & Biochemistry

著者名

Seiko Koizumi 小泉 聖子(新田ゼラチン株式会社 主任研究員)

Yoko Okada 岡田 陽子(愛媛大学大学院医学系研究科 脳神経内科・老年医学講座 特任講師)

Shiroh Miura 三浦 史郎(愛媛大学大学院医学系研究科 脳神経内科・老年医学講座 講師

Yuuki Imai 今井 祐記(愛媛大学大学院総合的病態生理学講座 教授、プロテオサイエンスセンター副センタ―長)

Keiji Igase 伊賀瀬 圭二(愛媛大学大学院医学系研究科 脳神経先端医学講座 准教授

Yasumasa Ohyagi 大八木 保政(愛媛大学大学院医学系研究科 脳神経内科・老年医学講座 教授

Michiya Igase 伊賀瀬 道也(愛媛大学医学系研究科 抗加齢医学(新田ゼラチン)講座 教授、愛媛大学抗加齢予防医療センター センター長)

題名

Ingestion of a collagen peptide containing high concentrations of prolyl-hydroxyproline and hydroxyprolyl-glycine reduces advanced glycation end products levels in the skin and subcutaneous blood vessel walls:a randomized,double-blind,placebo-controlled study

 

■背景

コラーゲンペプチド(CP)の摂取により、糖尿病患者の血糖値が低下することが確認されていますが、皮膚および血管壁に形成される終末糖化生成物(AGEs)のレベルを評価した研究は多くありません。本研究では、POおよびOGを高含有するCPを摂取した際の、皮膚および血管壁のAGEsレベルの低減化について調査しました。

■終末糖化生成物(AGEs)について

終末糖化生成物(AGEs)は、主に高温に加熱された加工食品を摂取した後に形成される有毒な副産物であり、タンパク質、脂質、ヌクレオチド*への酸化的損傷を促進します。特にAGEsレベルの増加は、老化、慢性疾患やストレスマーカー**に強く関連しています。従って、有害なAGEsを抑制することで、様々な病気を軽減することができます。

 

*:タンパク質の合成に関わったり、遺伝情報を保持したり次世代に伝達したりする役割を果たしている核酸(DNA, RNA)の構造単位で、健康維持のために重要な役割をしている。

**:ストレスにより分泌される物質のこと。

 

■方法

無作為化二重盲検プラセボ対照検試験において、47~87歳の31名の健康な被験者を2グループに分け、一方のグループには1日5gの魚由来コラーゲンペプチド(CP)、もう一方にはプラセボ食品のいずれかを12週間摂取してもらい、体組成、血液組成およびAGEsレベルを研究開始時と終了時に測定しました。

結果

両方のグループにおいて、有害事象は確認されず、血液検査と体組成はどちらも有意に変化しませんでした。ただし、CP群ではプラセボ群に比べてAGEsレベルが大幅に減少し、インスリン抵抗性指数*(HOMA-R)がわずかに低下しました。さらに、AGEsとHOMA-Rレベルの変化率は両グループで正の強い相関関係がありました。

 

*:「インスリンが作用しにくい状態」を示す指数で、低い方が良い。

 

まとめ

POおよびOGを高含有するCPを12週間摂取すると、AGEsレベルが大幅に低下し、プラセボ群と比較して程度は低いものの、HOMA-R値が低下する可能性があることを示しています。従って、CP摂取によりAGEsに起因する疾患が改善される可能性が示唆されており、そのメカニズムについては、今後の研究により検証していく予定です。

また、本研究成果を活かして、魚由来CPを用いた新商品開発を目指してまいります。