4.ゼラチンの製造法

(1)原料および前処理

 前述のように、工業的なゼラチン生産には、主として牛骨および牛皮、豚皮が原料として用いられる。このうち、牛骨については、骨の成分の約75%を無機質(リン酸カルシウム)が占めているので、これを希塩酸を用いて除去する必要がある。骨を脱灰して残ったコラーゲン主体の物質を「オセイン」と呼んでいる。

 これらのコラーゲン原料から、効率良く高品質のゼラチンを抽出するために、塩酸や硫酸などの無機酸もしくは石灰を用いて、原料の前処理を行なう。一般的に、酸処理の場合、数10時間から数日、また石灰処理は2〜3ヶ月の処理期間を要する。原料の前処理条件により、前者を酸処理ゼラチン、後者をアルカリ処理(もしくは石灰処理)ゼラチンと称する。これらを略して、順にAタイプ、Bタイプとも呼ばれる。

(2)水洗・抽出

 前処理の終わった原料は水洗し、過剰の酸やアルカリを除去したのち、温水を用いて加熱し、ゼラチンを抽出する。抽出法は、50〜60℃の温度で最初の抽出を行なった後、ゼラチン液を抜き取り、残った原料に再び温水を張り、1回目の抽出より高い温度で2回目の抽出を行なう。このように、バッチ(回分)式で抽出を複数回繰り返す方法が一般的である。

(3)精製

 抽出されたゼラチン液は、様々な方法でろ過し、イオン交換処理などの精製を行なって、純度を高める。

(4)濃縮、乾燥

 精製されたゼラチン液は、濃縮工程でより濃度を高め、殺菌された後、乾燥工程に送られる。一般的には、ゼラチン液を冷却し、ヌードル状のゼリー(ゲル)にしたあと、空調された条件下で通風乾燥されている。

(5)製品化、品質検査

 乾燥後のゼラチンは、半製品(バッチストック)として一旦保管し、物理性・化学性試験を行なう。定められた品質規格にあうゼラチンとするため、必要な複数バッチの半製品を粉砕・篩過して、混合したのち、所定の形態に包装し、製品に仕上げる。完成した製品は、最終出荷検査を経て、各ユーザーに出荷される。

 以下にゼラチン製造のフローを示した。

<表4−1> ゼラチンの製造工程