3.ゼラチンの原料(コラーゲン)

 工業的なスケールで生産されるゼラチンは、主として牛骨および牛皮、豚皮を原料としている。世界全体の原料使用比率は、牛皮・豚皮が約70%、牛骨が約30%と見られている。
 これらの原料の中でゼラチンに転化される親物質は、「コラーゲン」と呼ばれるタンパク質である。コラーゲンの概要を以下にまとめた。

 骨や皮中に含まれるコラーゲンは難溶性の物質であるが、これを酸やアルカリで前処理(後述)したのち、加熱すると、3本鎖らせんの分子構造がこわれ、ランダムな3本の分子に分かれる。このようにして熱変性し、可溶化されたコラーゲンを、「ゼラチン」と呼ぶ。

<表3−1>
分布 線維たん白質の一つで、動物の骨、皮、腱などの結合組織に広く分布している。脊椎動物が含有するたん白質の3分の1を占めるといわれている。
組成 それぞれ約10万の分子量をもったポリペプチド鎖が3本集まり、らせん構造のユニットを構成している。そして、このユニットが規則的に集合し、分子間結合を生じて、長い線維を形成している。
形状 長さ 約300nm、太さ 約1.5nm
分子量 約30万(1ユニット)
アミノ酸組成 グリシン、イミノ酸(プロリン、オキシプロリン)が、それぞれ全体の3分の1、9分の2と特異的に多い。シスチン、トリプトファンは存在しない。ゼラチンのアミノ酸組成は、コラーゲンとほぼ同一である。

<図3−1>